
結果を待つあいだ、こわさをやわらげる
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結果を待っていると、病院からの着信ではないかと何度も画面を見たり、郵便受けの音に反応したりします。仕事や家事をしていても、少し静かになると「もし〜だったら」が始まり、頭の中で診察室の場面を先取りしてしまうこともあります。家族に「考えても仕方ないよ」と言われて、話すのをやめたくなる夜もあるでしょう。大丈夫だと思い込もうとしなくてかまいません。まず必要なのは、未来の答えを出すことではなく、今いる場所と今していることを確かめることです。
考えが加速し始めたら、立ち上がったり特別な場所へ移動したりする前に、5-4-3-2-1のグラウンディングを始めます。見えるものを五つ、触れられるものを四つ、聞こえる音を三つ、においを二つ、味をひとつ、心の中か声に出して挙げます。「白いカップが見える」「服の布が腕に触れている」「冷蔵庫の音がする」のように、評価を加えず、そのまま言葉にします。味がわからなければ、口の中に残っている感覚でもかまいません。ゆっくり探し、途中で順番がわからなくなったら、見えるものから始め直します。正解はありません。
最初の試みで落ち着かないこともあります。全部を挙げようとして焦るなら、目に入るものをひとつ選び、色、形、置かれている場所を順に言います。目を開けているのがつらければ、椅子に触れている背中や、床に触れている足の裏へ注意を向けます。感覚を探すほど苦しくなる場合は、そこでやめてください。紙やスマートフォンに「今いる場所」「今していること」「次にする小さな用事」を書く方法へ切り替えます。うまくできない自分を評価する時間にはしません。「今はグラウンディングが合わない。別の方法を使う」と言葉にして次へ進みます。
少し今へ戻れたら、気持ちに名前をつけます。「これは結果についてのこわさであって、結果そのものではない」と言い、そのあとに、今について確認できる事実を続けます。「今、台所に座ってお茶を飲んでいる」「病院からの連絡は、今の時点では来ていない」「聞きたいことは紙に書いてある」のようにします。次に紙を二つの欄へ分け、片方に「わかっていること」、もう片方に「心が予測していること」と書きます。予測を事実の欄へ移さないことが目的です。不確かさは残りますが、今答えられない問いを、今すぐ解かなければならない問題として扱わないための区切りになります。
病院からの連絡を逃すのがこわくて画面を見続けてしまうなら、緊急性のない結果の問い合わせについて、連絡を確認する時間と、治療チームへ問い合わせる時間を先に決めます。それ以外の時間に確認したくなったら、「確認したい気持ちはある。確認する時間は決めてある」と読み上げます。病院へ問い合わせるときは、「検査結果について、いつ、どのような方法で連絡を確認すればよいか教えてください。何度も確認してしまうので、問い合わせる目安も知りたいです」と伝えます。返事が得られなかった場合は、いつ連絡したかを書き、決めた次の確認時間まで同じ問い合わせを頭の中で繰り返さないようにします。
浮かんだ疑問は「次の受診で聞くこと」と書いた紙にためます。「この結果は何を意味しますか」のように、答えが必要な形で一文ずつ書いてください。書き終えたら、洗ったカップを置く、着替える、仕事の画面を開くなど、目の前の小さな用事へ戻ります。一人暮らしなら、確認時間と次の用事を書いた紙を見える場所に置きます。夜勤などのシフト勤務なら、朝や夜という言い方ではなく、起きたあと、出勤前、帰宅後など、自分の生活に合う区切りを使います。疲れて何もできないときは、用事を大きくせず、「水を手元に置く」「質問の紙をバッグに入れる」のように、今できる一つを選びます。
家族が近くにいない場合は、家族以外で短い連絡を受け取れる人に、何をしてほしいかを具体的に送ります。「結果を待っていて、今夜は考えが止まりにくいです。解決策は要らないので、少しだけメッセージを返してもらえますか」と書けます。頼める人が思い浮かばないときは、質問と不安を分けて紙に残し、治療チームか、がん相談支援センターへ伝える準備に変えます。お金が理由で相談をためらう場合、多くのがん診療連携拠点病院にある、がん相談支援センターへ無料で相談できます。言葉の壁があるなら、「日本語で詳しく話すのが難しいです。相談するときに利用できる方法を教えてください」と治療チームへそのまま見せてください。
不安がくり返し眠りを奪う、食事や着替えなど普段していることが続けられない、仕事や家事を始めても結果の確認から離れられない、家族とのやり取りが不安の話だけになっている。このように生活の変化が目に見えるときは、次の受診まで抱えず、治療チームか精神腫瘍科など、こころを支える専門の窓口へ伝えてください。「結果を待つ不安で眠れない日がくり返しています。日々の生活を回しにくくなっています。こころの支えについて相談したいです」と言えます。自分を傷つけたい気持ちがある、自分の安全を保てないと感じる場合も、その言葉を弱めずに伝えます。「自分を傷つけたい気持ちがあります。今、安全を保てないと感じています」と治療チームへ伝え、何をすればよいか尋ねてください。









